調香師インタビュー/香りのレシピ | GUEST&MEのソープやフレグランスバー

香りのレシピ

GUEST&ME 調香師インタビュー
GUEST&MEの香りづくりに携わった、ライオン製品の香り〈フレグランス〉を開発して28年の一ノ瀬さんと、2度の産休を挟みながら15年に渡って香りづくりをしてきた芳賀さん。GUEST&MEソープの生みの親ともいえるお二人に、香りづくりの「技」や「冥利」を伺いながらGUEST&MEの香りの魅力に迫ります。

贅を尽くした特別な石けん―香りの原点に立ち返る

長年、香料開発に携わってきたお二人にとって「GUEST&MEソープ」とは、どんな石けんなのでしょうか?
芳賀さん GUEST&MEは、ほかの石けんとはまったく違う、特別な香りをもった石けんです。
いま、一般的な石けんの香りは、フローラルを中心に軽いタッチのものが多くなっているのですが、GUEST&MEのソープはシプレー調の香りです。シプレーというのは、苔(モス)の抽出物が香りの特徴となっており、人間が頭で考えて創作された香りの原点。初めて石けんがつくられた時も、こういう系統の匂いだったと言われています。

ただ、その香りだけですと、古臭く、堅苦しい香りになってしまいがちなので、GUEST&MEの石けんは、そこにモダンな香りをプラスしています。つまり、古典的な香りとモダンな香りという、相反する要素を持ち合わせているわけです。どこか懐かしくて、落ち着きがあるような、そんな複雑で格式の高い香りに仕上がっていると思いますね。
相反する要素を持ち合わせているというのは、面白いポイントですね。
芳賀さん そうなんです。春夏秋冬、日本のどの季節にも合うように、
たとえばジンジャーのような、温かさと冷たさを合わせ持つ香料も使いました。
一ノ瀬さん ジンジャーって嗅ぐとすっきりするんですけど、食べると身体が温まるっていう。そういう素材ですよね。
もともと企画の担当者から言われたのが『今までにない香り。とにかくこれだっていう、本物の石けんとでもいうべき素晴らしいものをつくって欲しい』ということでした。言ってみれば、世界一の石けん。“The 石けん”ですよね。
芳賀さん そのオーダーも非常に難しくて…。どんな季節にも合うよう、温かさと冷たさを感じる香りで、西洋と和の要素があること、そして、どこか昔懐かしい落ち着きがあり、でも決して古臭くないモダンな香り…と。要するに、色んな相反する要素を持ち合わせていて、それがバランスよく融合したもの。こんなオーダーは初めてでした。
一ノ瀬さん ですから、世界一の香りをつくるために、お金のかけ方からしてもとにかく制限なしでいいから素晴らしいものを、と言われました。実際、香料には通常の数倍もする高価な素材をふんだんに使い、配合量は普通の石けんの1.5倍ほど多くしました。つまり素材の費用としては、これはもう、常識破りの高さです。
なるほど、香りの原点に立ち返って、そこにさまざまなこだわりの素材を調香して、世界にひとつの香りができているのですね。ところで、気になるその高価な素材って一体どんなものなのでしょうか?

こだわりの原料を制限なく使う―伝統的な和の贅沢な香り

芳賀さん 実際には、GUEST&MEのソープのこの不思議な懐かしさと格式の高さを出すのに、伝統的な和の香りであるヒノキベースや伽羅(キャラ)ベースの香料を使っています。伽羅というのは大変贅沢な素材です。
一ノ瀬さん この素材がトイレタリーに使われることはまずないんですが。もともと日本の伝統的な芸道である「香道」で使われてきたもので、いわゆる「香りを聴く」という世界のものですね。

要するに、一般的な石けんづくりに使うものとは、素材自体が全然違うんです。普通は高くて使えないものをいっぱい使っちゃっている。一概に、高い素材を使えば、良いものが出来るとは言えませんが、同じ料理人がつくるのであれば、それだけ素材にこだわりがある方が、やはりできあがる料理の個性も全然違ってきて、美味しい料理ができますよね。
今回は、一緒に開発を行った香料会社さんの協力があり完成した香りなのですが、その香料メーカーもかなり個性の強いメーカーで、こだわりがある素材の提案をたくさん受けました。

個性の強い香りをバランスよく融合させ、ひとつのイメージに仕上げていく。そこに調香師の技を感じますね。香りの世界では、処方の匙(さじ)加減も調香師の五感を頼りにするものなのでしょうか?
一ノ瀬さん そうですね、香りというのは、機械でつくれるものでもないし、科学的にまだ解明されていない部分もあって、当然人によって感じ方も違うわけです。だから、素材の組み合わせ(香りの処方)という作業は、大変な技術が要ることなのです。まさに調香師の勘によります。
芳賀さん 開発の始めの段階では、よく香りのイメージを擦りあわせるのですが、風景の写真や、色などを使ってイメージを膨らましていきます。GUEST&MEでは、京都の苔のあるような庭園であったり…。ヒノキのお風呂で落ち着いた感じのイメージなんかもありましたね。どこかに和の要素があり、大人のしっとりとして落ち着くような、リラックスした懐かしさのイメージ。そんな香りを創りたかったのです。
個性の強い素材をバランスよく試行錯誤しながら、相反する要素を併せ持つ香りを開発していったお二人。次頁では、GUEST&MEブランドの核ともなる「ソープの香りに込められた思い」をさらに伺っていきます

本物を知り、求めるマチュアな世代へ向けて― “癒し”を越えて、成熟した香り

芳賀さん 香りにもトレンドがあり、世間一般のファッションや文化、ライフスタイルなどから影響を受けるものなのです。
例えば、9.11のアメリカ同時多発テロ事件以来、"癒される香り"が求められ、世界的なアロマテラピーの流行につながりました。そして最近は、バブルを経験して本物を知っている人たち、団塊の世代の影響で、若い人たちも“本物志向”の成熟した香りを求めるようになってきています。GUEST&MEの石けんは、成熟した落ち着きのある香りなのでいまの時代にも合っていると思いますね。
一ノ瀬さん いま、これほど個性を出している石けんも他にはないでしょう。
流行にとらわれず、本物を知っていてそれを求める方に向けた香りです。

変化する香りも楽しめる― 2週間の新鮮さ

芳賀さん GUEST&MEの石けんが普通の石けんと違う点として、開封後にどのくらい香りがもつのかという実験もしているところです。使い終わる頃までつくりたての香りが楽しめるように。2〜3週間、存分に香りを楽しんでいただける石けんになっています。
一ノ瀬さん 包装にアルミの袋を採用することも珍しいのですが、
香りを閉じ込めるためにはこれがいいということになりました。

調香師としての長年の夢― 香りに込められたメッセージを聴く

一ノ瀬さん 長年の夢でした。制限なしに思い描く香りづくりをすることは、本当につくり甲斐があるし、すごくわくわくするんだけど、同時に試されているというプレッシャーも感じますよね(笑)。出来上がったものを企画の担当者に見せたときは、「ああ、これだ」という感じで。ダントツでこれ、でしたね。他のものとは全然違いました。
芳賀さん 先ほど温かさと冷たさを併せ持つ素材で「ジンジャー」をご紹介しましたが、ジンジャーってちょっとした気付け薬みたいに、気持ちを元気にしてくれるんですね。ただ単に気持ちを落ち着かせるだけではなくて、明日も頑張ろう! みたいな気分にっていう思いを込めて、実はジンジャーを入れました。なので、毎日がんばっている人達に、ちょっとした「自分へのごほうび」としても、ぜひ使ってもらって、明日からの活力の基にしていただけたら…と思います。
何を配合しているのか、そのひとつひとつに意味があり、調香師からのメッセージが感じられますよね。
一ノ瀬さん そう、それが伝わるのが一番いいんです。つくった意図を感じ取っていただけるっていうのは、商品像も感じていただけるし、とてもありがたいですね。
芳賀さん そうです、香りを通して商品を感じていただけたらとても嬉しいです。
GUEST&MEの石けんを使うたびにお二人の思いとともに、究極の香りを楽しんでみたいですね。どうもありがとうございました。

取材:verita編集部
verita ヴェリタ

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